児童虐待 その1
● 身体的虐待
● 心理的虐待
● ネグレクト(育児の放棄)
● 性的虐待
以上の四種類の子どもへの虐待は、それぞれ単独で発生することもありますが、
暴力と暴言や脅し、性的暴行と暴力や脅し、ネグレクトと心理的虐待
そしてすべて含むこともあり、複雑に絡まりあって同時に行われていることが多いのです。
◇ 身体的虐待
保護者が子どもに、殴る、蹴る、物を投げる、冷水や熱湯をかける、水風呂や熱湯の風呂に入らせる、水中に沈める、布団蒸しにする、
カッターなどで切る、アイロンやたばこを押しつけ火傷をさせる、首を絞める、逆さづりにする、異物や毒物を飲み込ませる、食事を与えない、厳冬期などにベランダや戸外に閉め出す、部屋や箱等に閉じ込める(監禁する)などの暴行を指します。
子どもは、打撲傷、アザや骨折、頭部の外傷、火傷、切り傷などを負い、死に至ることもあります。
身体的虐待は、周囲から分かりやすく、顕在化しやすいのですが、注意が必要なのは、洋服の下の見えない部分にだけ暴行を加えるタイプもあることです。
着替えや診察の資格を有する方は、少しでも様子がおかしいと感じたら、目で確認できる顔や腕、足にけがをしていなくても、洋服の下を見てください。
◇ 心理的虐待
大声や脅しなどで恐怖に陥れる、何を言われても無視や拒否、否定的な態度をとる、著しく兄弟姉妹間差別をする(孤立化)、自尊心を傷つける言葉を繰り返し使って傷つける、万引きを強要するなどの誤った社会化、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス)などを指します。
子どもの心を死なせてしまうような虐待、と理解すると良いと思います。
過干渉も含まれます。愛情をかけて育てているつもりでも子どもの気持ちを無視して自分の気持ちを押し付けている場合です
親に合わせる事を重視するため、子どもは自分の意思が無くなってしまいます。
◇ ネグレクト
長期にわたり子どもの世話をしない、子育ての放棄・拒否。子どもへの無関心。
養育に必要な基本知識・能力の欠如により衣食住や清潔さに問題が起きている状態。
保護者が、自立していない子どもを度々家に残して外出する、食事を与えない、衣服を着替えさせない、ふろに入れない、(親の思い込みから)登校禁止にして家に閉じこめる、学習をさせない、無視して子どもの情緒的な欲求に応えない、他人による虐待的な行為を放置する(止めない)遺棄するなど
例えば、パチンコに熱中して子どもを自動車内に放置する、なども入ります。
乳幼児や年齢の低い子どもに起こりやすく、安全や健康への配慮が著しく欠けたために、発達の妨げになったり、死に至るケースもあります。病気なのに病院に連れて行かない、医療ネグレクトもあります。
◇ 性的虐待
養育者(両親・祖父母・親戚・継父母など)からの性的暴行やレイプ性的ないたずらを受ける。性的な行為の強要・教唆(きょうさ)、子どもに性器や性的行為を見せる。
ポルノグラフィの被写体にするなどが上げられます。
性的虐待は、本人が告白するか、家族が気づかないとなかなか顕在化しません。実父や義父などから「お母さんに話したら殺すぞ」などと暴力や脅しで口止めをされているケースも少なくありませんし、開始年齢が早いと子どもは性的虐待だと理解できないこともあります。私たちは、性的虐待なんて起こるはずがない、と思いがちですが、実際に乳幼児時期から発生していますので、注意を払ってください。
性的虐待は、実母や義母などの女性から男の子どもに対しても起こります。
〇 虐待としつけ
この二つの間には、しっかりと線引きできないグレイゾーンが存在します。
「子どもをしつける」という表現があるように「あるべき姿」に子どもを当てはめていく事で、それは大人が決めた形であり子どもの気持ちは関係ないことが多く、そこに主従関係が生まれます。子どもは従う者とされるのです。
虐待に当たるか否かは、親の意図ではなく「子どもが耐え難い苦痛を感じることであれば、それは虐待である」と
考えるべきだと思います。
ただ、言えることは、「子どもを人として大切にはしていない。」ということです。
ただ、多くのケースでは、養育者が子育てに苦労されている現実がありますから、その気持ちを大事に考えることも大切です
0コメント